熱電対とは

熱電対(Thermocouple)の原理
熱電対とは異なる金属線を接合すると、接合部に温度に応じた起電圧が発生するゼーベック効果を利用し熱起電力を測定することで温度を計測出来ることを利用しています(ゼーベック効果と呼ばれています)。極く細い線でもよく、センサ先端の熱容量が比較的小さいため変化しやすい温度の計測に向いています。
一般的にどの様な金属のカップルでも電圧が発生すると思われますが耐食性、価格、線加工性、耐熱性、温度測定範囲、発生起電圧の大きさ及びリニア特性、各種雰囲気下での安定性などから通常は以下の熱電対に限られます。
(IEC,JIS,ANSI等ご覧ください) 中でもK型熱電対が大半を占めています。

各種熱電対の種類


種類 特徴
K型熱電対(クロメル・アルメル) 熱伝導率が低い。即ち検査対象物から熱電対線自体を通って放散する熱量が少ないので正確に測定出来る。
硬く張力があるので、細線を製造できる。
最少は13μφまで製造されている。
従って、対象物が微小な場合はK型の極細熱電対が必須と考えられる。
先端数mmを予めはんだ付けすることが出来る。
はんだ継ぎ手部のはんだ付け温度を測定する場合、極細熱電対先端数mmを予めはんだに濡れさせることで、ほぼどの様な微小はんだ継ぎ手温度でも測定出来る。
ICジャンクション温度を測定する場合など、取付時高温処理出来ない場合は銀ペーストで固定する方法もある。
銀ペーストは接着剤中唯一の導電性(=高熱伝導性)接着材であり100℃〜150℃程度でも時間をかければ乾燥固化できる。
−側のアルメルに磁性があります。
T型熱電対(銅・コンスタンタン) 低温測定に向いている。
熱伝導率が高く熱電対を通って熱が逃げるので、対象物が小さい場合注意が必要。
E型熱電対(クロメル・コンスタンタン) 熱起電力が大きく、磁性が無い。
W型熱電対(タングステン レニウム合金) 還元雰囲気や不活性気体、水素雰囲気に適する。最高温に対応。硬くもろい。(JIS規格外)
J型熱電対(鉄・コンスタンタン) 熱起電力がやや大きい。比較的に安価だが錆びやすい。
B型熱電対(白金ロジウム合金) 高価格。熱起電力が極めて低くい。酸化雰囲気に適する。
R型熱電対 高価格。精度が良く、バラつきが少ない。
酸化性雰囲気に適する。切れやすいのでやや太めの線とする必要がある。熱起電力が小さい。
S型熱電対

熱電対は形状から大きく分けると、先端部を保護管に入れたシース熱電対と先端部がむき出しで管に入れてない熱電対に分類できます。シース熱電対はさらに先端露出型、非接触埋め込み型、接触埋め込み型の3種類に分類できます。

通常、シース熱電対はステンレス管等にセラミックス材(絶縁材)などを介して熱電対を挿入固定しており直線性、ホールド性、頑丈さに優れています。熱電対先端部埋め込み型は一般にリスポンスは劣りますが、酸化雰囲気あるいは還元雰囲気にも耐え長寿命で、各種大型プラントでは多数使用されています。

一方、むき出しの熱電対は一般に高リスポンスである点を生かして、各種の実験や詳細な計測などに広く使用されています。中でも、当社の極細熱電対や極薄熱電対はきわめて高速で測定できますので、例えばエンジン内部温度や火薬の爆発で膨らむエアバッグなど急激な温度変化を測定することが可能です。

1400℃以上の高温を測定する場合はBR S型など白金ロジウム系の熱電対が使用されることが多く高価な為、測温部以外の低温部はコスト上熱電対材料と同等の熱電能をもつ熱電対補償導線が使用されることが多い。補償導線は一般に太く、ノイズ防止上からも望ましい。

なお、熱電対線は細いほどノイズの影響を受けやすい。ノイズは経験上宇宙からくるノイズの他、モーターからも放射されているようである。電磁調理器ではすさまじいノイズがあり、ノイズの間隙で測定したこともある。データロガーのアースを十分行う必要があるのはもちろんである。

従って、当社ではノイズ防止上、社内ルールとして、100μ線径の場合2mまで、200μ線径の場合10mまでを勧めています。この他様々なノイズ対策があり、詳細は問い合わせてください


これら熱電対の長所・短所を十分に把握して、御社に最適の熱電対形状を選定する必要があります。
御社での測定対象物のサイズ、材質、予定最高温度、必要リスポンス、寿命等をお知らせ下されば
当社で最適な熱電対種類・形状をご提案させて頂きます。
一般的に熱電対の費用は、実験に必要な人件費を含む総費用に比べると少ないですが、測定結果さらには最終判断に大きな影響がありますので、取りつけ方法も含めて十分注意する必要があります。


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